書籍情報

※グリムや民間伝承に関連する書籍および関連する箇所を中心に紹介しています。

日本独文学会研究叢書

『グリム・メディア・対話 -変容し活用されるドイツの民間伝承-』

 野口芳子編 日本独文学会研究叢書151号 2022年10月8日

 執筆者:蚊野千尋、野口芳子、横道 誠

 本文はこちらから見られます。

 

グリム童話とドイツ伝承文学における父親像と母親像

 野口芳子編 日本独文学会研究叢書102号 2014年10月11日

 執筆者:野口芳子、溝井裕一、竹原威滋、山本まり子、金城ハウプトマン朱美

 

 グリム・メルヒェン研究 ——その多様なアプローチ——

 梅内幸信編 日本独文学会研究叢書50号 2007年10月7日

 執筆者:梅内幸信、杉浦 實、大野寿子、竹原威滋、野口芳子

 

 

単行本(↓古 ↑新)

『『ひと』から問うジェンダーの世界史』 全3巻

 特集ページ

 

 第1巻 「ひと」とはだれか?ーー身体・セクシュアリティ・暴力

 三成美保・小浜正子・鈴木則子編 大阪大学出版会 2024年1月末刊行予定 2400円+税

 ISBN 978-4872597776

 

 第1巻、1章5)①「女の子」「男の子」というイメージの構築―グリム童話

(野口芳子執筆項目)

 

 


グリム兄弟とその学問的後継者たち ――神話に魂を奪われて』

 横道誠 ミネルヴァ書房 2023年9月刊行予定 9,000円+税

 ISBN 978-4-6230-9514-8

 詳しくはミネルヴァ書房の公式サイトにて

 

内容(一部)(ミネルヴァ書房HPより)

 

 植物マニア、森の国、北欧神話、民族主義、ナチズム、フレイザー『金枝篇』、柳田國男、眠り姫、ジェンダー――

 グリム兄弟とその弟子たちの協働を描きだす

 

 兄弟は何をめざし、何を残したのか。グリム兄弟の学者としての研究の学際性、民族主義やナチズムとの関係、多言語性などに注目し、彼らについての総体的な理解を提示する。包括的かつ独創的なグリム兄弟論。

 

[ここがポイント]

◎ 『グリム童話』だけでなく、グリム兄弟の多面的な仕事に目を向ける、包括的なグリム兄弟論。

 

◎ グリム兄弟が文学研究、法学、比較言語学、民俗学、宗教学、歴史学の各分野に果たした役割をそれぞれ検証し、それらを兄弟共有の理想にもとづくものとして統一的に把握する。

 

 

 


いっしょに楽しむ おはなしのえほん  動物たちとまなぶ20話

 大野寿子監修 高橋書店 2023年4月 1,650円+税

 ISBN 978-4-471-10399-6

 詳しくは高橋書店の公式サイトにて

 

 目次(一部)

第1章 それぞれの価値観をみとめよう

ネズミのよめ入り、キツネとツル、いなかのネズミととかいのネズミ

 

第2章 多角的視野を持とう

すっぱいぶどう、ネズミのかいぎ、しおをはこぶロバ、にくをくわえたイヌ、オオカミと七ひきの子ヤギ

 

第3章 いじわるや身勝手はやめよう

いなばの白ウサギ、サルとカニ、カチカチ山、オオカミとキツネ

 

第4章 機転や知恵を発揮しよう

ウサギのいえ、十二支のはじまり(日本)、十二支のはじまり(中国)、サルの生きぎも、ぶんぶくちゃがま

 

第5章 それぞれの長所や役割を見つけよう

みにくいアヒルの子、ライオンとネズミ、ながぐつをはいたネコ、タヌキの糸車

 

 


なぜ炭治郎は鬼の死を悼むのか

 ―― 昔話で読み解く『鬼滅の刃』の謎

 久保華誉 草思社 2023年4月 1,600円+税

 ISBN 978-4-7942-2648-8

 詳しくは草思社の公式サイトにて / 特集ページ

 

内容(一部)

◆『鬼滅の刃』の謎に迫る9つの「なぜ」

・なぜ炭治郎と禰豆子だけが生き残ったのか <妹の力>

・なぜ禰豆子は竹をくわえ箱に、玉壺は壺に、入るのか <うつぼ>

・なぜ善逸は雷に打たれたのか <雷の説話>

・なぜ伊之助は強いのか <始祖伝承とイノシシの説話>

・なぜ伝令役は鎹鴉なのか? <カラスの説話>

・なぜ胡蝶しのぶと栗花落カナヲは蝶をまとうのか <蝶の説話>

・なぜ宇髄天元の忍獣はネズミなのか <ネズミの説話>

・なぜ禰豆子は鬼になったのか <妹は鬼、鬼の特性>

・なぜ炭治郎は鬼の死を悼むのか <鬼の伝説と判官贔屓>

  

 


鬼滅夜話 キャラクター論で読み解く『鬼滅の刃』

 植朗子 扶桑社 2021年11月 1,600円+税

 ISBN 978-4-5940-8991-7

 

目次

◆『鬼滅の刃』の謎に迫る9つの「なぜ」

第1部 炭治郎と仲間たち(竃門炭治郎;竃門禰豆子 ほか)

第2部 鬼殺隊最強の「柱」たち(水柱・冨岡義勇;蟲柱・胡蝶しのぶ ほか)

第3部 非道の鬼・悲しき鬼(鬼舞辻無惨;黒死牟 ほか)

 

 

 

 

 

  

 


はじまりが見える世界の神話

 植朗子編著 創元社 2018年4月 1,870円(税込)

 ISBN 978-4-422-70110-3

 詳しくは創元社の公式サイトにて

 

目次

 

女神の棲まう聖なる森/ドイツ語圏の起源説話

トウモロコシから生まれた男たち/中米・マヤ神話

宇宙の木と九つの世界/北欧神話

楽園になる禁断の果実/古代イスラエル神話

洪水神話と鉄の筏/シベリア(トゥバ民族)神話

神々の降り立つ島/琉球神話

敗れた神々と地下の楽園/ケルト神話

水鏡が映した精霊男/パプアニューギニア(アラフンディ族)神話

カオスからはじまる愛の系譜/古代ギリシア・ローマ神話

霊峰を背に戦う民/古代アルメニア神話

風は鳥の姿をしていた/ロシア(スラヴ民族)神話

巨大な愛が引き裂かれるとき/ニュージーランド(マオリ族)神話

天地を分かつ九万里の巨人/中国神話

創造神の涙/古代エジプト神話

似てない双子の創造主/北米・イロクォイ(ホデノサウニ)神話

神々を描いた歴史書/日本古代神話

神と魔王が描いた日本/日本中世神話

光の故郷へ至る道/インド神話

主が降らせる慈雨と稲妻/イスラーム神話

ハルニレの子と火の女神/アイヌ神話

 

 


無形文化遺産 ウィーンのカフェハウス

 沖島博美 河出書房新社 2017年10月 1,600円+税

 ISBN 978-4-309-22713-9

 詳しくは河出書房新社の公式サイトにて

 

内容(河出書房新社の公式サイトより)

 

 2011年ユネスコの無形文化遺産に登録されたウィーンのカフェ文化。歴史、楽しみ方、カフェハウスやコンディトライの名店、ウィーン菓子のルーツなどを多彩な写真で紹介する決定版。

  

 

 

 

 

 

 


プラハ迷宮の散歩道

 沖島博美 ダイヤモンド社 2016年2月 1,600円+税

 ISBN 978-4-478-04850-4

 詳しくはダイヤモンド社の公式サイトにて

 

内容(河出書房新社の公式サイトより)

 プラハの町歩きガイドとして好評を得た本書が、このたびリニューアル。それぞれの地区が刻んできた歴史や散歩中に出合うことができる建物の様式、モーツァルト、カフカといったチェコにゆかりのある芸術家の紹介など、読み進めるうちにプラハの町が歩んできた文化的、歴史的背景がわかる構成となっています。

  

 

 

 

 

 

 


『グリム童話と表象文化』(野口芳子退職記念論集)

 大野寿子編 勉誠出版 2017年7月 4,600円+税

 ISBN 978-4-585-29150-3

 詳しくは勉誠出版の公式サイトにて

 

 目次(一部)

Ⅰ グリム童話を考える

 神話と現実のはざまの「メルヒェンおばさん」像 ベルンハルト・ラウアー(橋木郁子 訳)

  「白雪姫」と近親相姦 浜本隆志

 巖谷小波とグリム童話―「小雪姫」をめぐって 前田陽子

 朝倉めぐみと中里研の世界―グリム兄弟協会主催による日本人初のグリム童話展 沖島博美

 

Ⅱ グリム兄弟を考える

 幕末にヤーコプ・グリムを訪問した日本人について 野口芳子

 歴史を伝える〈もう一つの真実〉のメディア―近代批判としてのグリム兄弟の〈叙事ポエジー〉概念 村山功光

 ロマニストとしてのヤーコプ・グリム―古スペイン語ロマンセへの関心 横道誠

 

Ⅲ モティーフの変遷と展開を考える

 グリム兄弟、ゲーテ、コサン・ド・ペルスヴァル―アラビアンナイトと異文化理論 ルース・B・ボッティックハイマー(稲毛理津子/野口芳子 訳)

 殺された子どもの行方―昔話「継子と鳥」とATU720類話にみる〈あわい〉存在としての子ども 鵜野祐介

 ジョージ・ピールの『老婆の昔話』におけるふたつのモチーフ―死者の恩返しと井戸の中の頭 前原澄子

 

Ⅳ 社会的役割と家族のかたちを考える

 おとぎ話とフェミニズム童話 谷口秀子

  「新しい女」とイギリス世紀末文学 玉井暲

 女性のキャリアと金融リテラシー―スミス・カレッジの金融教育からの示唆 西尾亜希子

 父親像からみた『花木蘭』―叙事詩から演劇へ 中山文

 ドイツの現代伝説における父親像と母親像 金城ハウプトマン朱美

 

Ⅴ 表象文化とその連続性を考える

 テレビ映画『ニーベルングの指環』―ニーベルンゲン伝説の現在の姿 齊藤公輔

 怪物のうごめく海で―古代~中世ヨーロッパにおける「ひとと水族の関係史」 溝井裕一

 花と妖精のヨーロッパ―挿絵が誘う「もうひとつの世界」 大野寿子

 

Ⅵ グリム研究者野口芳子について

 ふたりのグリム研究者、ハインツ・レレケと野口芳子―訳者解題 横道誠

  「学び」がもたらす「笑顔」について 島田芽実

 野口先生との思い出 中村早希

 論評『グリム童話と魔女』に寄せて 下程息

 

 

 


グリム童話とメタファー

 

 野口芳子編 勁草書房 2016年8月 3,080円+税

 ISBN 978-4-326-80058-2

 詳しくは勁草書房の公式サイトにて

 

目次(一部)

第Ⅰ部 固定観念を覆す解釈─ジェンダー社会学的視点から

 第1章 「白雪姫」

 第2章 「いばら姫」

 第3章 「赤ずきん」

 第4章 「灰かぶり」(シンデレラ)

 第5章 グリム童話における7の数字──不運な7の出現を巡って

 第6章 『グリム童話集』における父親像と母親像

 第7章 『ドイツ伝説集』における父親像と母親像

 

第Ⅱ部 グリム童話の日本への導入について

 第1章 明治期における『グリム童話』の翻訳と受容──初期の英語訳からの重訳を中心に

 第2章 『ROMAJI ZASSI』に邦訳されたグリム童話について─日本初のグリム童話邦訳をローマ字で訳出した訳者について

 第3章 改変された日本の「白雪姫」──明治期から現代まで

 

第Ⅲ部  初稿、初版と決定版の邦訳

…… 

 

 

 


『グリムの扉』

 大野寿子編 勉誠出版 2015年5月 2,400円+税

 ISBN 978-4-585-29093-3

 詳しくは勉誠出版の公式サイトにて

 

目次(一部)

序章 グリムへの誘い 大野寿子

Ⅰ章 グリム兄弟の人物像をたどる

 グリム兄弟と故郷ヘッセンとの相反的な関わり ハルム‐ペア・ツィンマーマン

  「子どもと家庭」に込められたグリム兄弟のメルヒェン観 田口武史

 

Ⅱ章 グリム童話と挿絵の歴史をたどる

  『子どもと家庭のメルヒェン集』200年―グリム童話の挿絵と影響の歴史 ベルンハルト・ラウアー

 挿絵からみたグリム童話―日本における西洋の影響 西口拓子

 19世紀西洋視覚とジャポニスム―挿絵の世界は切られてなんぼ 高橋吉文

 

Ⅲ章 グリム童話研究の歩みをたどる

 メルヒェンと伝説、その驚きの世界観―変身物語を中心に 溝井裕一

 明治期におけるグリム童話の翻訳と受容―初期の英語訳からの重訳を中心に 野口芳子

 グリム童話と比較民話学 竹原威滋

 

Ⅳ章 グリム兄弟博物館の歴史をたどる

 カッセル・グリム兄弟博物館1959-2014 ベルンハルト・ラウアー

 グリム兄弟博物館ポスターギャラリー

 ……

 

 



超域する異界

 大野寿子編  勉誠出版 2013年2月 6,500円+税

 ISBN 978-4-585-29050-6

 詳しくは勉誠出版の公式サイトにて

 

目次(一部)

第一章 西洋における伝統的な異界とその表現―ドイツ伝承文学・比較民話学・音楽学―

 民話における「異界」との交流を可能とする仕掛け 竹原威滋

 ドイツの民間伝承における異界と異人 溝井裕一

  『グリム童話』における「異界」―死者の化身と死者世界をめぐる一考察― 大野寿子

 グスタフ・マーラーにみる「異界」と越境の音楽表現 山本まり子

 

第二章 東洋における伝統的な異界とその表現―中国古典文学・日本近世文学・美術史―

 洞天の風景―神仙グロットの地誌― 山田利明

 黄表紙における異界表象―山東京伝『箱入娘面屋人魚』を例として― 松岡芳恵

 弥次喜多の旅は異界への旅か―『東海道中膝栗毛』の一つの読み方― 中山尚夫

 描かれた「異界」―江戸時代絵画と異界表現― 藤澤紫

 

第三章 近現代の日本における総合体としての異界とその表現 ―日本語学と日本文学の一九―二一世紀―

 句から語へ―「魔ヲ使フ女」から「魔女」への移行を一例として― 木村一

 歴史と「異界」の交錯―中里介山「夢殿」論― 早川芳枝

 現代日本文学における「異界」の諸相

 ―村上春樹から現代ホラー小説、家族小説、戦争文学まで― 石田仁志

 

第四章 現代日本における異界思想とその超域―言説史・社会言語学・文化原理考想―

  「異界」の諸相―語誌の展開をめぐって― 池原陽斉

  「異なものとの交流」としての異文化コミュニケーション 渡辺学

 超域する「異界」とは何か?―Meta2の冒険― 高橋吉文

……

  

 


卒論を楽しもう―グリム童話で書く人文系卒論―

 野口芳子著 武庫川女子大学出版部 2012年3月 1,620円+税

 ISBN 978-4990390099

 詳しくは武庫川女子大学出版部の公式サイトにて

 

内容(武庫川女子大学出版部の公式サイトより)

 著卒論の題材選びから始まり、どのようにテーマを組み立て文章化していくか、また、公的に通用する表記のルールや、学術論文における日本語表記、注や参考文献の書き方などを、実際の卒業論文を例にとって、丁寧に解説した一冊。また、著者から学生への講評や卒論要約も多数掲載されており、これから卒論に取り組む学生にとっても、卒論指導者にとっても貴重な実例満載の興味深い本。著者自身のグリム研究者としての造詣の深さが、歴史学、民俗学、文学、社会学、法学、ジェンダー学など多岐にわたる学際的研究を可能にしており、人文系研究論文 を書くすべての人に推薦できる本といえる。